Metaは2023年7月18日、オープンソースの次世代大規模言語モデルであるLlama 2を発表しました。Llama 2は、研究・商用利用ともに無料です。Metaの発表によるとMetaはマイクロソフトとの長年のパートナーシップを拡大し、マイクロソフトをLlama 2の優先パートナーとしたとのことです。
Llama(ラマ、リャマ)南アメリカのアンデスの高地で家畜として飼われている動物です。Metaは自社の大規模言語モデルを、目立たずに高地でのんびりと生きているという意味で、やや自虐気味に命名したのでしょうか?
Metaの発表と並行して、同社の国際問題担当プレジデント、ニック・クレッグがTwitterで次のようにtweetしています。
Today, Meta has announced we are opening access to our next generation large language model Llama 2, in partnership with Microsoft. By making AI models available openly, they can benefit everyone. AI innovation is inevitable and AI should be built to benefit the whole of society.…
— Nick Clegg (@nickclegg) July 18, 2023
Metaが新たにリリースしたオープンソース言語モデル「LLama 2」は前作のLLama Oneから大幅に性能が向上しており、GPT 3.5と同等の性能を有するとされています。
LLama 2は、膨大なテキストデータとコードデータで学習されており、テキスト生成、翻訳、創作文書の作成、質問への回答など、多様なタスクをこなすことができ、また、商用利用可能なライセンスで提供されているため、企業や組織でも使用することができるとのことです。
一方、Appleもまた、独自の生成AI技術「Ajax」を開発しています。Ajaxは、Google Jacksをベースに構築されており、Siriのパワーを支えています。Appleはまた、Bard ChatGPTやBing AIなどの有名なAIシステムの機能を複製したHotpotアプリを開発中でです。
Metaの記事を読むとLLama 2は、多様な用途で使用できる強力な言語モデルであることがわかります。AppleのAjax技術もまた有望であり、今後の展開が期待されます。
Llama-2は使えるか?
実際にLlama-2を使った結果については、私のレビュー記事「ChatGPT対抗AIであるMetaのLlama-2を試してみた」をご覧ください。
LLama 2のビジネスへの活用例
- LLama 2は、ビジネスの様々な場面で活用することができる。例えば、以下のような用途が考えられる。
- 顧客サポート:LLama 2は、顧客からの質問に応答したり、問題を解決したりすることができる。
- マーケティング:LLama 2は、ターゲットユーザーに最適なコンテンツを生成したり、広告を配信したりすることができる。
- コンテンツ生成:LLama 2は、ブログ記事やニュース記事、商品説明文などのコンテンツを生成することができる。
- 翻訳:LLama 2は、テキストを多言語に翻訳することができる。
LLama 2と他のオープンソース言語モデルの比較
LLama 2は、他のオープンソース言語モデルと比較して、以下のような特徴がある。
- より大規模なデータセットで学習されている。
- より複雑なタスクをこなすことができる。
- より商用利用に適している。
プライバシーとセキュリティの課題
LLama 2は、膨大なテキストデータで学習されているため、プライバシーとセキュリティの課題が懸念される。例えば、LLama 2が生成したテキストが、個人情報を含む可能性がある。また、LLama 2が誤った情報を生成した場合、その影響が大きくなってしまう可能性がある。
AppleのAjax技術がSiriに与える影響
AppleのAjax技術は、Siriの性能を大幅に向上させる可能性がある。例えば、Ajaxは、Siriがより自然な会話でユーザーとやり取りできるようにする。また、Ajaxは、Siriがより複雑なタスクをこなせるようにする。
最大のポイント
OpenAIのGPT-3.5、GPT-4と違って、LLaMA 2はオープンソースです。しかも、Metaの大規模言語モデルをMicrosoftとMetaが共同でアップデートしたという点が最も興味深いところです。MicrosoftはChatGPTが使用するスパコンを全て提供し(有償)最終的にChatGPTの株式の49%を保有する権利を確保した一方で、「どちらに転んでも生き残る」方策をどんどん打ち出しています。さすが商売人!というところ。
MetaはLlaMAをオープンにするメリットとして、デベロッパーや研究者がLlaMAをストレステストしてくれるので、より安全に開発できるという点を強調しています。