月$20を払わずにClaude Codeを使う方法

【AI革命Phase 2】Claude Codeを”格安中華AI”で動かしてみたら、思わぬ落とし穴が待っていた

AI革命はPhase 2へ──「性能競争」から「自動化の波」へ

私の体感からすると、2022年11月30日に本格始動したAI革命は、2025年にPhase 2へと突入したように思えます。Phase 1はChatGPTとその競合LLMたちによる性能競争でした。これは今後もますます激しさを増して続いていくでしょう。一方Phase 2は、AGI(汎用人工知能)を目指した「自動化の波」です。LLMのコーディング性能が向上し、同時に人間の言葉を理解する能力が飛躍的に高まった結果、プログラミングを生業としない一般人でも、コードを書かずにプログラム作成や作業の自動化ができるようになりました。それと並行して、複数のAIツールを連携させ、自律的なシステムを組み上げるツールも発展しています。前者の代表格がClaude Code、後者の代表格がOpenClawです。OpenClawは自律性の高いAGIとして先頭を走っているように見えますが、企業やアカデミアの根幹に深く浸透しつつあるのはClaude Codeの方です。

Anthropicの収益源となったClaude Code

Claude Codeは元々、AnthropicがClaudeをベースにしたコーディングエージェントとして投入した製品です。GitHub Copilot、OpenAI Codex、VS Codeとの組み合わせといった競合がひしめく中で、徐々に中心的な存在へと成長し、今やAnthropic社の主要な収益源となりました。Claude Codeなしでは業務が成立しないユーザーは着実に増え続けています。月額$20のClaude Proではすぐに使用上限に達してしまうため、月額$100のプランへ切り替えざるを得ない、という状況が各所で生まれています。企業レベルになれば、ClaudeのAPI使用契約を結び、何百万円・何千万円ものAPI使用料を”平気で”支払うことになります――払わなければ仕事が進まないのです。Claude Fable、Opus、Sonnet、Haiku(そしてMythos)といった性能別の段階的料金表によって、ユーザーが自然とより高性能・高価格なAPIを使いたくなる──そんな巧みなビジネスが大繁盛しています。

そこに割って入った中国の大手AI

この状況に殴り込みをかけたのが、中国の大手AIです。ClaudeのAPIモデルに肉薄する性能を持ちながら、一桁かそれ以上安価な料金で、コーディングエージェントのユーザーに直接、あるいは再販業者経由で提供しています。特に便利なのがOpenRouterという再販業者です。Anthropic、OpenAI、Gemini、その他世界各社のLLMを、OpenRouterのAPIキーとエントリーポイントひとつで横断的に使えてしまいます。私自身は、GeminiをWorkspace Business Standard契約で、You.comを介してChatGPTやClaudeを使用していますが、最近は中華AIを各社のWebサイトから無料ユーザーとして使う機会が増えています。現時点で私の用途にもっとも合っているのは、Z.aiのGLM-5.2。性能と使い勝手の総合点で私にとっては最高評価です。しかもGLM-5.2は(ChatGPTやClaudeと違って)無料ユーザーでも使用上限がなく、大きな仕事でも確実に最後まで完遂できるのです。

「裏技」でClaude Codeを契約なしで動かす

AGIやコーディングエージェントについては、これまでGeminiの周辺機能(AI Studio、Notebookの一部機能)にVS Codeを組み合わせて補完してきました。しかし、やはり本流であるClaude Codeを使ってみたいという欲望がジリジリと湧いてきて、「Claude Proに毎月$20を払うのもやむを得ないか」と思い始めていました。そんな時、「Claude Codeは裏技を使えばClaude Proの契約なしでも使える」という記事を目にし、試してみることにしました。近年のWindows 11はシームレスにLinuxを取り込みつつあり、特にAI関連ではPowerShellでLinuxのようなコマンドを打ち込めば、手間をかけずに使えるようになっています。Claude Codeの場合、環境変数を書き換えて、OpenRouterのエントリーポイントとAPIキーを、あたかもAnthropicのものであるかのように”思い込ませることで、Claudeの有料契約なしでもClaude Codeが立ち上がるのです。これは決して不法な使い方ではありません。Claude Codeは元々オープンソースであり、またAnthropic側の都合としても、Claude契約ではなくAPI契約でClaude APIを使う道を用意する必要があるからです。

ご興味のある方のために、この記事の末尾に【付録】としてセットアップ手順を書き添えておきます。PowerShellを触ったことがある人なら、わりと単純な作業で済むはずです。行き詰まったら、ChatGPTやGeminiにその状況を詳しくコピペして相談すれば、解決を手伝ってくれます。昔と違い、どんな問題でも”その道の世界的プロがPC内に住んでいて”詳しく教えてくれる──本当に便利な時代になりました。

セットアップが完了し、作業フォルダー C:\AI\ClaudePro の中にプロジェクトフォルダーを作成、そこで claude とタイプすると──OpenRouterのGLM-5.3-flashでClaude Codeが無事立ち上がりました。

Claude Codeで最初にやったこと:450冊の書籍データ収集プログラム

さて、Claude Codeで何をするか?5分ほど迷った挙句、自分が出版済みの書籍(約450冊)のデータをAmazonから収集するプログラムを組むことにしました。Amazonで出版される書籍にはASIN番号が割り当てられます。そこで、ASIN番号と私の書籍整理番号(4〜5桁)を並べたCSVファイルを与えれば、その本のタイトル・URL、Kindle Storeでのランキング、レビュー件数と星の数などのデータを収集してくる──そんなプログラムの骨格を、日常会話の言葉で詳しく説明し、作成を依頼しました。それから1時間あまり、Claude Codeは何やら必死に考えながら試行錯誤を繰り返し、時折私に確認を求めつつ作業を続けました。最終的に何度かテストランとデバッグを経て、「完成したよ」と報告が届きました。人間なら複数人が一週間ほど残業してこなすほどの仕事量でしょうか。完成したプログラムは実用に足るもので、何よりもバグなく一発で動いたのには驚かされました。450冊分のデータ収集を手作業でやれば少なくとも丸一日はかかりますが、「FETCH」ボタンをクリックして数十分放っておけば、勝手に完了してくれるのです。

衝撃のAPI料金明細──Sonnetが密かに紛れ込んでいた

さて、このプログラムを作るのにAPI料金はいくらかかったのか?さっそくOpenRouterのログをチェックしました。結果はUS$2.28。高くはありませんが、この規模の作業を月に10本もやれば$20に達するので、決して安いとも言えません。そして明細を見て驚いたのは──1時間の作業の大半を担ったGLM-5.3-flashはわずか$0.30しかかかっていないのに、その中で時折Claude Sonnet 5がごく小さな作業(1回あたり10トークンといった単位)をこなしており、集計すると$2.28のうち$1.97がSonnetの分だったのです。これにはショックを受けました。

「これはClaude Codeの陰謀では?!」

疑念を抱いた私は、相談相手を吟味した末、DeepSeekに詳細な状況を示して尋ねました。DeepSeekの回答は明快でした。決して陰謀ではない、と。Claude Codeは作業の種類によって「この部分はSonnet 5を使うべし」と指定しているだけであり、悪意はない。そもそも環境変数を操作してGLM-5.3-flashをClaudeだと思い込ませているのはあなたの方なのだから──と。要するに、「この部分はSonnet 5を使え」という指示を受け取ったOpenRouter側で、その指示を無視してGLM-5.3-flashを使い続けるよう設定すればいい、というアドバイスでした。その設定は決して簡単ではなく、右往左往しましたが、1時間ほどかけて「これでたぶん大丈夫だろう」というところまで漕ぎ着けました。

翌日の挑戦:長編小説を自動執筆するシステム

一夜明けた翌日、(あくまで遊びですが)本格的な小説をゼロから完成まで約10ステップで書き上げるシステムを組む作業をClaude Codeに持ちかけました。「Claude Codeに入力する」と言っても、私が話しかけている相手は実質GLM-5.3-flashであり、私にとっては気心の知れたGLM-5.2の兄弟分と対話しているような感覚です。GLM5は長編小説一冊分ほどの長さの詳細説明をしても、それを整理し、根幹まで正確に読み取ってくれるAIですから、私の数千文字の乱文と、参考資料2万文字ほどの説明だけで、意図を完璧に汲んでくれました。約20分でシステム完成の報告が届きました。まだ実際には使っていませんが、Claude Codeが書いた手順書を読むかぎり、そのシステムの完成度はかなり高そうです。作業コストはどうか?OpenRouterのログをチェックしたところ約30円、しかもSonnet 5の混入は皆無だったので、ほっと胸をなでおろしました。前日に作った書籍データ収集プログラムはPythonで書かれたスタンドアロンのソフトなので、何度使っても無料です。しかしこの小説執筆システムは、実行のたびにGLM-5.3-flashという優秀なAIが毎回対応するため、そのぶんAPI料金がかかる、という違いがあります。(おそらく一冊あたり50円、下手をすれば100円ほど。まあ、10冊書いても1,000円弱といったところでしょうか。)

結論:AIは、結局のところ「コスト」の問題である

ケチな話だと思われるかもしれませんが、結局のところAIはコストの問題なのです。高価なClaude Fableは別格としても、今週時点でOpenRouter人気トップのClaude Opus 5のAPI料金は、100万トークンあたり$5(input)/ $25(output)。これに対してGLM-5.3-flashは$0.07125 / $0.2375と、まさに桁違いに安価なのです。ClaudeのAPIが高価であることを意識せずに使っていた人が、月額数十万円の請求書を見て真っ青になる──これは今、世界中で頻発している”あるある”です。定量的に正確な情報は得られていませんが、API利用料の売上規模において、Z.ai(GLM)はAnthropic(Claude)に肉薄するレベルに達したとの情報もあります。だとすれば、消費量(トークン数、あるいは電力量)ベースでは、GLMの方がClaudeより一桁大きいという計算になります。AI革命Phase 2の主戦場は、性能だけでなく「コストパフォーマンス」へと移りつつあるのかもしれません。


【付録】PowerShellでClaude Codeを”GLM-5.3-flash”で動かす最短手順

前提:Windows 11 に Node.js(v18以上) がインストール済みであること。未導入なら nodejs.org から入れておいてください。

① Claude Code をインストール

PowerShellを開き、次を実行します 。

npm install -g @anthropic-ai/claude-code
② OpenRouter の API キーを取得

openrouter.ai にログインし、Settings → Keys から API キーを発行します 。sk-or-v1-... という形式の文字列です。

③ 環境変数を”すり替える”

ここが裏技の核心です。OpenRouter のエントリーポイントとキーを、あたかもAnthropicのものであるかのように思い込ませます 。

$env:ANTHROPIC_BASE_URL = "https://openrouter.ai/api/v1"
$env:ANTHROPIC_API_KEY  = "sk-or-v1-(あなたのOpenRouterキー)"
$env:ANTHROPIC_MODEL    = "z-ai/glm-5.3-flash"

⚠️ この方法(ANTHROPIC_BASE_URL を書き換えるトリック)で、Claude の有料契約なしにClaude CodeのハーネスをGLM系モデルで動かせます 。

④ 作業フォルダーで起動
cd C:\AI\ClaudePro
claude

これで OpenRouter 経由の GLM-5.3-flash で Claude Code が立ち上がります。


★「隠れSonnet課金」を防ぐ設定

本文で触れた”Sonnetがこっそり混入する”問題への対策です。Claude Code は作業の種類によって、内部的に 高速モデル(haiku枠)メインモデル(sonnet枠) を使い分けます。この両方をGLM-5.3-flashに固定すれば、Sonnetの混入を防げます次の一行を追加してください。

$env:ANTHROPIC_SMALL_FAST_MODEL = "z-ai/glm-5.3-flash"

これでメイン処理も裏方の軽作業も、すべてGLM-5.3-flashに一本化されます。


補足:毎回入力するのが面倒な場合

上記③④の環境変数はPowerShellを閉じると消えます。毎回打ち込むのが面倒なら、PowerShellのプロファイルに書き込んで永続化できます。

notepad $PROFILE

開いたファイルに③の3行(+Sonnet対策の1行)を貼り付けて保存すれば、次回以降は cd して claude と打つだけで起動します。


⚠️ うまくいかない時は
  • 応答が返らない場合は、まず /model コマンドで現在のモデルを確認 。
  • openrouter.ai/activity にアクセスし、どのモデルへリクエストが飛んでいるかを確認してください。ここに GLM-5.3-flash のリクエストが記録されていれば成功です 。
  • 行き詰まったら、エラーメッセージをそのままChatGPTやGeminiにコピペして相談すれば、たいてい解決できます。

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